全身麻酔・精神鎮静麻酔

精神鎮静麻酔とは

歯医者は痛い、怖いといった思いで歯医者に行くことをためらうことはありませんか?治療中すぐにおえっとしてしまい(嘔吐反射があり)うまく治療が行えないため歯医者へ行くのをためらうことはありませんか? 歯医者と聞くと嫌なイメージを抱く方がほとんどです。常に痛みのない治療はなく、治療内容や治療部位によっては多かれ少かれ痛み感じることがあります。しかし、これまでのトラウマなどで恐怖心や不安感が過度に強くなり、歯医者に行くことができない患者さんがみえます。

お口の病気は、虫歯や歯周病が多くを占めますが、これらの病気は一度かかると適切な治療をしない限り自然によくなることはありません。また、放置すればするほど症状は悪化し、やがて歯の保存ができなくなります。

精神申請治療の特徴 気分が落ち着く 治療の痛みを軽減できる 治療時間が短く感じられる 血圧や心拍数が安定する 治療中の吐き気を抑える

恐怖心や不安感が強く、通常の治療が不可能な患者さんが一日でも早く治療を行い、歯を残していくためには、全身麻酔・精神鎮静麻酔が必要不可欠です。
全身麻酔・精神鎮静麻酔とは、鼻や点滴から麻酔薬を投与することで気持ちを落ち着かせ、リラックスさせる方法で、それにより安全に歯科治療を受けることが可能です。そして歯科治療に慣れることにより今までのトラウマを克服できる方もいます。

上記の理由などで歯医者に行けなくて困っている、という患者さんはぜひ一度お気軽にご相談ください。

当院の全身麻酔・
精神鎮静麻酔の特徴

歯科麻酔学会認定医による全身麻酔・精神鎮静麻酔

院長は全身麻酔・精神鎮静麻酔などの歯科麻酔学を専門とする学術機関である歯科麻酔学会の認定医です。これまで大学病院や市中病院で1,000件以上の全身麻酔・精神鎮静麻酔を行なっており、安心安全な治療を提供します。

保険内治療での対応も可能

全身麻酔・精神鎮静麻酔を受けたいが、高額な治療費がかかる歯科医院もあります。当院では治療内容によって保険治療でも対応可能ですので、自己負担額を抑えることが可能です。

カウンセリングルームや回復室があります

全身麻酔・精神鎮静麻酔は術前のカウンセリングや術後の安静が必要不可欠です。できるだけ落ち着いた環境を整えるためにこれらの専用ルームを用意しています。

保護者も同席可能なファミリールーム

歯科治療中もできるだけリラックスできるように、ふかふかで座り心地の良いもの、手の置き場が困らないもの、幅に余裕があるもの、など細かな視点から最適なチェアを選びました。

精神鎮静麻酔の様子
カウンセリングルーム

鎮静方法について

歯科治療に対する不安や恐怖心を和らげ、リラックスした状態で治療を受けられるようにする方法が「精神鎮静麻酔」です。精神鎮静麻酔は全身麻酔と違って意識がなくなることはありませんが、ウトウトした状態になり、不安や恐怖心が薄れます。鎮静薬を使うことで治療中の細かいことをボンヤリさせ、ときには治療したかどうかも忘れさせるような効果をもたらします。

代表的な鎮静法として、「笑気吸入鎮静法」と「静脈内鎮静法」の2種類があります。
それぞれに効果の違いや利点、欠点がありますので、しっかりとカウンセリングして患者さんにあった最適な鎮静方法を行っていきます。

笑気吸入鎮静法について

笑気吸入鎮静法とは、笑気ガスを鼻から吸引して行う鎮静法で、「笑気麻酔」とも呼ばれます。笑気ガスを吸引することで不安や恐怖心などを軽減させるのが特徴です。効果はそれほど強くはなく意識がなくなることはありませんが、安全性が高いのが特徴です。また、子どもにも適応可能です。
治療が終わると数分で笑気ガスが体外へ排出され、しばらく経つと完全に目覚めます。なお、笑気ガスは体内で分解されることなくそのまま排出されるので副作用の報告もほとんどありません。

笑気吸入鎮静法の様子
こんなお悩みの方に笑気吸入鎮静法はオススメ
  • 歯科治療に恐怖心・不安感を持っている方
  • 小さなお子様をリラックスさせて治療させたい方
  • 異常な緊張・反射で、治療が不可能となる方
  • 心疾患や高血圧などの内科的慢性疾患で、歯科治療が困難な方
笑気吸入鎮静法の流れ
鼻マスクを装着
寝た状態で鼻マスクをかけて、鼻呼吸をしていただきます。
笑気濃度を調整
笑気の濃度を徐々に上げながら、適度な鎮静状態へと導きます。少しお酒に酔ったような気分になったり、手足が温かくなったような感じがすることがあります。
局所麻酔
5分ほどして、鎮静状態が確認されれば必要に応じて局所麻酔を行います。
歯科治療
鎮静の状態を観察しながら笑気の濃度を適正に保ち、歯科治療を行います。鎮静が深くなりすぎるようであれば、簡単に鎮静の深さをコントロールできます。
治療完了
治療終了です。そのままお帰りまで5分ほど待てば、そのまま帰宅できます。特に生活の制限はありませんが、車の運転をされる場合は少し長めに時間をおいたほうが良いと思います。待合室でゆっくりされてからご帰宅ください。

安全性について

笑気は安全なの?笑気を吸うと危なくないの?というような心配をされる患者さんがみえます。
もちろん、麻酔薬を投与する上で100%安全であるということはありません。しかし、当院では患者さんが鼻から吸う気体を笑気が30%程度、医療用酸素が70%程度と専用吸入器を用いて厳密に管理していますので、酸素が十分に体内に投与できる状態をつくります。
笑気自体も健康者の呼吸機能や心臓の機能に影響することはほとんどありません。さらには万が一の自体に備え、血圧や脈拍、動脈血酸素飽和度の測定を適宜行いますので、安心して笑気吸入鎮静法を施行できると考えています。

笑気吸入鎮静法の安全性

注意事項

  • 術後は5分程度お休みして、ふらつきなどなければ帰宅できます
  • 鼻詰まりやアレルギー性鼻炎などで、鼻呼吸が難しい方には使用できない場合があります
  • 気胸・中耳炎の方には使用できない場合があります
  • 眼科での手術歴のある方には使用できない場合があります
  • ぜんそくやてんかんの発作がある方には使用できません
  • 妊娠中、授乳中の方には使用できません

静脈内鎮静法(静脈麻酔)について

静脈内鎮静法とは、腕の静脈から鎮静薬を投与して行う鎮静法です。鎮静薬を注入することで不安や恐怖心を軽減させ、時間の感覚が薄れたような状態にさせるのが特徴です。笑気吸入鎮静法と比べると効果が強く、より強い効果が期待できます。

静脈内鎮静法を行うことで、患者さんはうっすらとした意識のなかで眠っているような状態になるため、リラックスして歯科治療を受けることができます。治療が終わった後も、治療中のことはほとんど覚えていないこともあります。

静脈内沈静法によって不安や恐怖心を軽減するとともに、局所麻酔を併用することでほとんど痛みのない外科処置が可能になります。

静脈内鎮静法(静脈麻酔)の様子
こんなお悩みの方に静脈内鎮静法はオススメ
  • 歯科治療が本当に嫌いな方や、歯科治療中に具合の悪くなる方(歯科恐怖症)
  • インプラント・親知らずの抜歯・歯周病の手術など、お口の中の手術を受ける必要がある方
  • 短期間でも早く治療を終わらせたい方
  • お口の中に物が入ると「オエッ」となる嘔吐反射の強い方
  • なかなか診療時間が取れず、スピーディにまとめて歯科治療を受けたい方
  • 笑気吸入鎮静法が受けられない方
  • 笑気吸入鎮静法では十分は効果が得られない方
静脈内鎮静法の流れ
静脈から点滴
静脈から点滴をします。場所は主に腕や肘ですが、患者さんによっては手の甲など他の部分にする場合もあります。
モニター装着、酸素投与
安全に治療を行うため、血圧や血中の酸素量を量る機械を装着します。また、鎮静剤の投与により、呼吸が浅くなることがありますので鼻から酸素を投与します。
鎮静剤投与
鎮静剤を注入していきます。薬品の量は患者さんの年齢、体重、状態を見ながら調節していきます。
また、患者さんの「歯科治療への恐怖の度合い」によっても調整していきます。
局所麻酔
患者さんが完全に痛みなどを感じなくなったことを確認した後で、局所麻酔を行います。笑気吸入鎮静法と同じく、静脈内鎮静法も鎮痛効果は得られないため、痛みをとるために局所麻酔を行います。
治療がスタートした後も、患者さんの心拍や血圧などのデータをリアルタイムでチェックしながら、万一の場合に備えます。たとえ患者さんの状態が急変しても、対応できるような準備を万全にしておくのです。
治療完了
治療完了です。麻酔が切れるまではそのままチェアで休んでいただき、その後は回復室で休憩をいただきます。
めまいやふらつきの確認を行い、帰宅方法、帰宅後の注意を説明したら終了となります。

安全性について

適切なモニタリング

万が一のことに備え、病院でも使用される生体モニターを使用して、常に患者さんの状態を把握します。また、緊急時に適切な対応が取れるように機材や近隣医療機関との連携も確保しています。

最新の治療器具を用意

鎮静剤の投与は精密な機械が管理します。適切な量を確実に投与できるため、誤投与などを防ぎ、安全に鎮静法を行います。

使用する精神安定剤は安全なもの

使用する鎮静剤は、日本でも多くの手術室やICUなどの医療現場で使用されている比較的安全性の高い薬剤です。

静脈内鎮静法(静脈麻酔)の安全性

注意事項

  • 当日の車や自転車の運転は控えていただきます
  • 患者さんの様子を的確に把握するため、口紅やマニキュアをとってもらいます
  • 当日は帰宅後も安静にしてください
  • 薬に含まれる成分にアレルギーがある方には使用できない場合があります
  • 心臓・肝臓などに異常がある方には使用できない場合があります
  • 妊娠時、授乳時、小児には使用することができません
  • 術前の飲食はお控えください(治療毎にお知らせします)
  • 術後は眠気やふらつきなどが生じるため、通常の状態に戻るまでクリニックで休んでいただきます
  • 術後の痛みは、飲み薬にて対処いたします

治療費について

精神鎮静法は保険適用可能です。
ただし、治療内容によっては保険が適応できない場合もありますので、詳しくは歯科医師・スタッフにご相談ください。
治療内容等で不安や疑問がありましたらお気軽にご相談くださいませ。
料金は精神鎮静法のみの表記です。別途歯科治療費がかかります。

施術 保険適用 時間 料金 備考
笑気吸入鎮静法※健康保険適用可能 保険診療 30分 約1,000円〜1,500円(3割負担) 保険診療の対象となる患者さんは、歯科恐怖症や重度の嘔吐反射などで通常の歯科治療では対応できない場合に限ります。そういった症状がない場合、あるいはインプラントなど処置内容が自費治療の場合には精神鎮静治療も自費の対象となります。まずは一度ご相談ください。
自費診療 30分 5,000円〜7,000円
静脈内鎮静法※健康保険適用可能 保険診療 1時間 約2,500円〜3,000円(3割負担)
自費診療 1時間 20,000〜30,000円
保険診療の対象となる患者さんは、歯科恐怖症や重度の嘔吐反射などで通常の歯科治療では対応できない場合に限ります。そういった症状がない場合、あるいはインプラントなど処置内容が自費治療の場合には精神鎮静治療も自費の対象となります。まずは一度ご相談ください。

笑気吸入鎮静法
※健康保険適用可能

時間 金額
保険診療 30分 約1,000円〜1,500円(3割負担)
自費診療 30分 5,000円〜7,000円

静脈内鎮静法
※健康保険適用可能

時間 金額
保険診療 1時間 約2,500円〜3,000円(3割負担)
自費診療 1時間 20,000〜30,000円
保険診療の対象となる患者さんは、歯科恐怖症や重度の嘔吐反射などで通常の歯科治療では対応できない場合に限ります。そういった症状がない場合、あるいはインプラントなど処置内容が自費治療の場合には精神鎮静治療も自費の対象となります。まずは一度ご相談ください。

よくある質問

笑気吸入鎮静法を行うと、どんな状態になるのですか?
よく言われるのは、お酒を飲んで酔ったような感じです。お酒を飲んだときのように不安が和らいでリラックスした状態になり、手足が温かくなるような感覚もあります。ただし、笑気吸入鎮静法の効き目や感じ方には個人差があります。
笑気吸入鎮静法ができない方はどんな方ですか?
以下のような患者さんは、笑気吸入鎮静法が適応にならないことがあります。
  • 鼻づまりやアレルギー性鼻炎などで鼻呼吸ができない方
  • 妊娠初期の方
  • 中耳炎の方
  • 2ヶ月以内に眼科で手術を行った方
  • 過換気発作の既往がある方
静脈内鎮静法を行うと眠ってしまうのですか?
いいえ、眠ったような状態になりますが、眠ってしまうわけではありません。静脈内鎮静法の効果としては、「ウトウトしたような状態」「ボーっとしたような状態」「寝ぼけているような感覚」などと言われます。リラックスした状態になるため、人によっては実際に眠ってしまう方もいますが、基本的に治療を受けている間は意識があるため、大きな声での呼びかけに応じることができます。治療中の記憶は断片的になる人もいますし、まったく覚えていないという方もいます。
静脈内鎮静法を行うと痛みを感じなくなるのですか?
いいえ、静脈内鎮静法だけで無痛になるわけではありません。静脈内鎮静法は痛みを和らげる効果もありますが、痛みをなくすためには通常の歯科治療で用いる局所麻酔が必要です。通常の局所麻酔と静脈内鎮静法を併用することで、痛みをほとんど感じることなく歯科治療を受けることができます。静脈内鎮静法はあくまでも、歯科治療に対する恐怖心や不安を軽減するための対策だとお考えください。